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ショートニスについての問題点

ショートニスについての問題点
オイルニスViolin Varnish Colophoniumはランニング・コロホニウム(グリークピッチ)と亜麻仁油の1:1の処方です。お問い合わせに「ショートニス」をご希望の方が多いのです。比率をPitch/Oil=60/40以上のオイルの少ないニスがショートニスで、出所はたぶんPeter Stefan Greiner,Brigitte Brandmair  "Stradivari Varnish"の著書だと思います。根拠は分かりませんがStradivari Varnishはオイルが少ないという分析結果を基にしています。これは誤解があります。オイルニスの本質を知らない故に分析値が樹脂/油脂という混合物である仮定で行われたものです。オイルニスは「化合物」です。エステル交換と赤外分光のピークについて見直して欲しいものです。
ショートニスができたとして、それは硬く、テレピン油に溶かさなければ使用できません。ここがショートニスの難点です。木材に最初に塗布するニスは「浸透」してはいけないのです。これがアルコールニスでは有利でオイルニスでは不利な条件です。前に書いたので省略しますが、浸透してはいけない理由は弾性構造を作る層ができてしまうことで、浸透を防ぐ方法は3つあります。
①ニスの粘度を上げる。②溶媒をなくす。③木材表面を親水性にする。
これらの理由と方法は以前書きましたが、ショートニスを作ってテレピン油で希釈するのも、ましてはオイルで希釈しては全く意味がありません。また樹脂が多いほど膜の強度は低く脆くなります。長所としては色が濃い、乾燥が速いということだけです。
ショートニスをオイルで薄めると「ショート(オイルを切ったという意味)」の意味がないどころか、普通のオイルニスより音は悪くなります。
そういうわけで、ランニング製品の販売と特注品の試作はお断りすることにしました。