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Violin Varnish Koen Padding を訳して。感想と弊社オイルニスの方針

この本を全て訳したわけですが、ニスの配合はサンダラックとウォルナット油40:60が"Violin Varnish Comune"とアンバーとウォルナット油 40:60が"Violin Varnish Grassa"  という二つのベースを使用した根拠が出てきません。あと顔料としてどのレーキを使用したのかマダーレーキについても処方的なものは一切分かりません。引用した文献も分かりません。ある意味ヴァイオリン・ニスの本はマイケルマン、フライ、リード全て「間違った作り方」の産物です。Geary BaeseとBrigitte Brandmair & Peter-Stefan Greiner の本は読んでませんがたぶんまともだと思います。このような環境で作らざるを得ないのが現代のオイルニスだったわけです。
その中でMagisterはヴァイオリンニスとしての機能、少なくとも美観については完璧で支持されました。しかしストラディヴァリの使ったものとは違うニスでした。
私は生松脂からグリークピッチを採る方法、Marciana Varnishをストラディヴァリのニスと確信しています。
この著書での光学的説明はおよそ半分で、「二色性」と「蛍光」の説明に欠けています。蛍光は16世紀当時は紫外線はあります。日光がそれです。しかし何故蛍光を発する必要があるのかは書かれていません。そもそも蛍光の概念もありませんし、蛍光を感知する機械もありません。これはワイシャツに蛍光漂白剤で処理すると、より白く見えるように、本来人の眼で感知不能な領域の色素も影響しているということです。つまり蛍光を発するヴァイオリンの方が暗いところで明るく見えるという単純な仕掛けです。これは経験的にそうなったとしか言えません。
二色性はストラディヴァリのニスが松脂と亜麻仁油という分析結果の他に、コチニールの亜鉛レーキが少量検出されているという事実です。下地の黄色に赤紫を足して「赤」にする技法のことです。私の作った製品を使用する際に、一番誤解の多い問題です。
下地が白ければヴァイオリンヴァーニッシュ・コロホニウムのレットブラウンはただの赤紫です。この点は販売について少し改良して行こうと思います。
生松脂はヴァイオリンヴァーニッシュ・コロホニウムのダークブラウンの原料ですが、入手が難しく、先ほど入荷しました。かなり良いグレードです。低温で処理してみたいと思います。たぶん赤くなります。
というわけで、私はMagister Varnishのコピーは作らず、ストラディヴァリ使用ニスの有力候補であるマルチアナ・ヴァーニッシュの製造に専念する予定です。写真 生松脂
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