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ヴァイオリンニスの作り方改訂4版について

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ヴァイオリンニスの作り方改訂4版を製作中です。内容はアルコールニス編とオイルニス編に分けて書いていますが、オイルニスについては内容を一新します。一般論と各論の区別が難しいカテゴリーですが、たぶん正しい内容と自信のある記述に心がけます。オイルニス編は引用はマルチアナとデメイヤーン(スクリプト=文献)から始まりますが、ジョセフ・マイケルマンとジョージ・フライの扱いはどうするかもまだ決めていません。マダーレーキとレーキ顔料の作り方は一新して最新版にします。これは実際に製造可能なものです。オイルニスの完全な製法については非公開です。ところで、オイルニスの製法とは云っても原理的には、マルチアナ文書そのものですので、あとはティングリーの著書を見て頂ければ、バリエテションと進化が理解できます。稲葉豊英著の「塗料秘録・昭和12年丸善」に「ティングリー氏ですらオイルヴァーニッシュは半ポンドの量で製造すべき」と、この頃までは読まれていた書籍です。この「半ポンド」の意味はたぶん造った経験のある人にしか分からないと思います。つまり200ml程度ですと安全に製造できますという話です。量が少なければ危険性も減ります。


シェラックの夏場

シェラックの夏場
暑い夏場を迎えます。何故かシェラックのご注文の殆どは夏場に集中しています。
シェラックを使うには最注意の時期ですが、注意点を今一度確認します。
1.シェラックは温度と湿度が高いと変質してアルコールに溶けなくなります。
大体30℃以上でしょうか。漂白シェラックやブロンズシェラックは特に注意が必要です。固まってしまうこともあります。エタノールに溶解して保存しておけば、変質はありません。シェラック製品は変質に強いシードラックの形態で輸入されて、国内の製造会社で、各グレードに精製します。精製したものを輸入すると、輸送中に変質します。
2.冷蔵庫に保存するには密閉できる容器か袋に入れて、できれば乾燥剤を入れておきます。15℃以下であればよいと思います。冷凍する必要はありません。
問題なのはこの後です。冷蔵庫から出して、すぐに開封すると、空気中の湿気(水分)をすってしまいます。室温に戻ってから開封や操作を行ってください。
3.グレードについてのご質問が多いのですが、グレードの名前は商品名です。
一般名、歴史的に呼称された名前に従っています。シードラックからの精製はまず最初に色素を抽出します。これはラック色素です。この後がオレンジやレモンの蝋入りグレードとなります。これを脱蝋してガーネット、さらに脱色してブロンズ、漂白して漂白シェラックとなります。漂白シェラックは近年に食品グレードの需要が高まったので生産量の増えたグレードです。これがシェラックの標準ではありません。ギターやヴァイオリンに使用するならば、未精製に近い方が音特性には有利です。これは精製工程で熱がかかる履歴が一番小さいものが音としては良いということです。
「音が良い」というのはソースの音を忠実に通すか、歪んでしまうかということです。
これは良く聞かれますが、ある程度は物理の知識が必要です。