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Koen Padding Violin Varnish

この本は故Koen Paddingd氏のMagister Violin Varnishの残された記録を編集したものです。
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今月に発売されました。内容ははっきり言ってよく分かりません。
断片的な内容でこれらのニス作りの経験のある方が書いたわけではありません。
分かることはサンダラック・ウォルナット、アンバー・ウォルナットの二つのベースとマダーレーキを数種類という組み合わせのシンプルなオイルニスで、私のViolin Varnish Grouns,ClassicalとViolin Varnish Pure Amberと同じものです。コロホニウムをベースに選ばなかった理由はあると思いますが、Marciana Manuscriptも引用しているので、サンダラック・ウォルナットにした結論が存在するのだと思います。

製法については触れていません。つまり不明です。
その前にビザンチンシステムの概要がサッコーニ氏との関連で、述べられています。
ストラジバリはこのシステムとは別のもので、もっとシンプルだと考えられます。下地についてのいろいろな考え方はこのページを読んでおくべきだと思います。ただしサッコーニ氏の考えは全く正確ではありません。
推論です。しかしオイルニスの下地について、ここに重大な要素があることを提案したことは重要です。
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まだ完全には読んでいませんが、興味ある内容を少しづつご紹介します。

琥珀オイルニスと技術

琥珀オイルニス仕様のヴィオラとヴァイオリンを見せていただきました。
琥珀の色を活かして、ほとんど顔料を使わずにという前提で塗装されました。
「色を濃く」というと、これまでのオイルニス制作者は加熱条件を厳しくして、色を濃く出そうとしました。
経験から琥珀のランニングはだんだん加熱自体は弱くしていることは、以前に書いていますが、大抵の場合色を濃くすると炭化していて単にカーボンの色で黒く見えているにすぎません。「炭化」させずに濃く、しかも着色剤を使用せずにというとかなりの難題になります。
しかし、これが難題だという者も、解決する者も過去にいたのか記録もありません。ティングリーやベーゼもそれらしきことは書いてはいます。この辺になると炎の色で温度を見る刀匠の感覚です。
作る初期の段階でこれは駄目だ、炭化する。またはこれはいける赤くなるということが分かります。
考え方としては、加熱すると黄色→赤→黒となるので赤で止めるというだけです。
もう一つは二色性を利用するということで、これはかなり説明が難しくなります。
合成して作った琥珀は緑色でピュアーな琥珀も緑色だと主張する方もいます。
黄緑+青紫=赤という二波長の光の足し算です。
これについてはさらに研究していきたいと思います。
2015IMviolin0s.jpg

アルコールニスの制作と注意

アルコールニスの制作と注意
1.スティックラックとシードラック
シェラックはスティックラックとシードラックは殻や木の皮を含んでいます。
これを溶解と濾過で取り除きます。エタノールに浸けて暖め、溶解した後濾過します。
濾過は2段階で行います。網状のガーゼかもう少し粗いメッシュでゴミを漉します。
次に不織布で漉します。
2.蝋入りグレード(オレンジ、レモン)
そのまま瓶に入れてエタノールで溶解します。50℃までは加温可能ですが、直火は厳禁です。サンダラックやベンゾエなどと処方として溶解する場合、サンダラックやベンゾエは不純物を濾過する必要があります。紙に包んでエタノールに浸漬する方法が使えます。
ここで注意ですが、このときシェラックを一緒に溶解しないということです。
蝋入りグレードは蝋分が濾紙(不織布やガーゼも)が疎水加工されたのと同じ状態になりますので、エタノール溶解液の濾過速度が極端に遅くなります。
3.脱蝋グレード(ガーネット、ブロンズ、漂白)
脱蝋グレードではこの現象はありません。
しかし、効率を考えると
・シェラックは直接溶解
・その他のアルコール性樹脂は紙に包んで溶解。
・コロホニウムは精製してありますのでそのまま、直接溶解。
これらを比率を計算して合わせるのが良いと思います。
天然樹脂の中でエタノールに溶解性の悪い樹脂は溶解度パラメーター的にはシェラックです。他の樹脂は簡単に溶けるかといいますと、「溶けやすいからダマになって溶けない。」状態はよくあります。あまり粉末に砕いて溶解しない方が良いでしょう。

レーキと蛍光

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写真はマーク・ロスコの絵ではありません。
UVテストのマダーレーキ、アナトーレーキ、アリザリンレーキとピュアアンバーの比較です。
右端が木材の地となります。
アンバーニスはこのようにオレンジ色の明るい蛍光となりますので、ヴァイオリンにはとても都合が良いのです。
本来レーキ顔料そのものは蛍光に対しては不活性ですが、染料のような阻害が少ないので適しています。
染料の例がありませんが、UV照射では真っ黒になります。
レーキをいかに少なく使用するかで、また塗装の出来も違ってきます。
最小限に使用するには、ベースになるオイルニスの色が最もオレンジや赤に近いことが必要です。
顔料を全く使用せずにヴァイオリンだと云える色になねことです。