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Rubia Tinctoria

Michelman の著書の中では一番重要な部分です。
この作り方が一番色の良いマダーレーキを作ることができます。
「発酵」ということの異論は前に述べました。特に発酵が大切ではなく、酸性状態で一度茜を洗うことが重要です。またアルコール抽出の後の茜根が残ります。この中にはまだ色素があり、実際には苛性カリから水溶液抽出してマダーレーキを作れますが、ヴァイオリン用の色としてはあまり良くないので廃棄します。


11.茜の発酵
1%の酢酸水溶液1200ccに粉砕して粉末にした茜根120g。
全部が濡れるように振り混ぜながら稀酢酸溶液に浸します。
容器の上部は、空気にさらされたままで、単にふるいまたは網でおおわれているだけにします。(註1)発酵は暖かい季節のうち、長く涼しい気候の中で24時間続くことが必要です。内容物は布で濾過し、着色剤の損失を避けるために、茜はごくわずかな水およそ250mlで洗います。
布の中の残留物はプレートへ移し完全にに乾燥させます。濾液は廃棄します。
茜染料は、発酵と濾過の中で元の重量の15〜20%を失います。
酒石酸は完全に不揮発性であることと、色素の損失と共に完全な洗浄が要求される茜染料に残らない点で酢酸は酒石酸より好ましいかもしれません。

12.茜着色液の製作
発酵した茜100g(11参照)
95%エタノール 500ml
茜アルコールの混合物をアルコールの沸点まで水浴で暖め、冷却後茜を布フィルタで抽出物から分離し、およそ100ml最小限のアルコールで洗います。
残渣の茜は廃棄します。濾液はエバポレーターで濃縮します。
アルコール抽出物の固形分は発酵したアカネの4-5%の間にあります。
それは柔らかくて、樹脂状でした。残渣はアルコール溶かしアルコール5%溶液とします。
これは5%の茜着色液(tincture註2)と呼ばれます。これは懸濁液を含み、布でろ過するべき暗褐色色の液体です。
5%の茜着色液は、実は5%の色素を含むわけではありません。
アカネアルコール抽出物から乾燥した濃縮物の全てが、最終的にアルコール溶液に再溶解するというわけではありません。乾燥濃縮物のおよそ10%が不溶で、ろ過して取り除かれなければなりません。現代ではMadderはアリザリン置き換えられた色素が使用され、それが偽物かということは問題にされませんでした。
沈殿生成反応の前か後にtinctureを加えることによって、アルミニウム・ロジネイトは着色できます。直接茜着色液(tincture)をアルカリ性カリウムロジネイト溶液に加えることによって、着色剤の(沈殿生成の)完全な溶液は保証されます。
カリウムロジネイト溶液は濃い赤紫色に変わります。これに明礬を添加するとアルミニウム-アカネ-ロジン複合体がすぐに形成されます。
この方法は他の方法でアレクシスによるラッカ・マニュスクリプトに記載のそれに相当します。
アルミニウム・ロジネートは最初に形成されます、そして、Madder tinctureは最後に加えられます。茜がすでに沈殿するアルミニウムロジネイトに付着して色はゆっくりと少しづつ着いてきます。
酸化アルミが最初に繊維状に沈殿し、それに染色されるこの方法はそれに相当します。
茜浴の中で繊維は媒染剤染められます。Hence-forth(アカネ-アルミニウム-ロジネイトは便宜のため Mad-Al-Rosinateと略します。

13. Mad-Al-Rosinateの製作
ロジンカリウム溶液100ml
5%茜着色液 10ml
水90ml
明礬5%水溶液 55ml
カリウム・ロジン溶液に加える前に茜着色液を水で薄めることが好ましいです。
明礬を加える前に1、2分は着色剤が完全に溶解させておかれなければなりません。
この手順の残りは、Prep2のそれと同一です。
この方法は、アレクシス(第5章)によって報告されて、ヘロン-アレンによってまとめられたレポートに従います。
酒石酸に浸した茜.. 水酸化カリウム灰汁に溶解して、沸騰させます。Mailandも特に沸騰に言及するように、Preparation 13も濾過される前に沸騰させてます。

註1)良く意味が取れないが暑くも寒くもない温度が一定の時期という意味が合理的。
註2)「チンキ」という語の語源

オイルニスの色付け2

オイルニスの色付け2
蛍光を阻害しない。
発色が良い。
耐光性がある。
透明である。
これらの結論としてはレーキ顔料ということになります。(古典的にはです。)
しかしながらレーキ顔料が全て透明で蛍光適合生と耐光性があるかというと、そこでも選択しなければなりません。例としては
ガンボジレーキは発色が良くない。ドラゴンズブラッドレーキは蛍光が暗い。
クルクマレーキはどちらも良いが耐光性がない。
経験的にはマダーレーキ、ペルナンブーコレーキ、リセダ、スティルドグレイン、コチニール、カルミン、ラック(熱には弱い)が使用できます。
ここでまた注意として、こりらは厳密に言えば全て「半透明」です。
面倒なことに同じマダーレーキでも製法によっては透明と半透明があります。
多くの市販のマダーレーキは半透明です。私の作るマダーレーキは透明です。
これに対してマイケルマンレーキの方法はほとんど透明なレーキを作ることができます。
マイケルマンの著書はおそらく16-17世紀の技術とは違うものです。
しかしこのレーキの製法は正しい選択だと云えます。

あとはベースのオイルニスの色を利用して、足して良い赤になるレーキを少量使用することがベストです。場合によっては青色、緑色が必要になります。
madder-crimson-lake.jpg

オイルニスの色付け

オイルニスに色を付けるためには、次の方法があります。
1.染料をエタノールに溶かし、濃縮したものを加える。通常はオイルニスにエタノールを加えていくと樹脂とオイルが沈殿し、もはやニスとしては使えない状態になります。しかしエタノールをテレピン油の5%以内に限って添加することはできます。ドラゴンズブラッドやガンボジが使用できます。
全体としてのニスの安定性は悪くはなります。

2.油性の化学合成染料を使用する。
スダンⅢやⅣはテレピン油に溶けます。

3.テレピン油の着色
古典的方法では色付けしたエタノールとテレピン油を混合して、蓋をしない容器に入れて放置すると、エタノールは自然に蒸発して同時にテレピン油は酸化しますので、染料は酸化テレピン油に移行します。もちろん初めから酸化したテレピン油を使用すれば色は着きます。「エージドテレピン」という方法です。
その他酸化リモーネンも染料を溶かすことができます。

4.レーキ顔料を使用する。

5.鉱物顔料を使用する。
しかし123の方法は蛍光が暗く、ブラックライトで見ると真っ黒になります。(蛍光塗料以外)ここがレーキ顔料という結論が生まれる理由となります。
レーキ顔料は無制限に添加できるものではありません。10%程度が限界です。ベースのオイルニスの色をうまく利用した、混合色を見つけ出す必要があります。
またクルクマのように光退色するものもあります。
5の鉱物顔料は「不透明」というところが最大の欠点です。油絵の具と同じことになります。絵画では絵の具は不透明と半透明、透明の違いがあり、使い分けています。
ヴァイオリンニスでは透明性が高いことが必要です。

ヴェルニーチェ・リキッダ

ヴェルニーチェ・リキッダ(Vernice Liquida)はヴァイオリンまたはリュート用のニスとして古くから用いられました。シモーネ・サッコーニ(Simone Sacconi)氏の云うビザンチンシステムはこのサンダラック・ウォルナットのヴェルニーチェ・リキッダのことです。近年では有名なMagister社のKoen Padding氏のcomuneが純粋なサンダラック・ウォルナットのVernice Liquidaです。
弊社製品では"Viloin Varnish Ground"です。この名称はヴェルニーチェ・リキッダについての文献からとりました。
ビザンチン様式の時代は装飾画材が発達した時代でした。サンダラック・ウォルナットは色が薄く硬化も良いので、マステイックやコロホニウムより蒔絵、螺鈿の技法に似た貼り付けによる、サイジング(接着)には適していました。しかし欠点として経時で色が黄色からオレンジ色になるということがあります。
これを利用して銀の上にサンダラック・ウォルナットを塗装し、金箔に見せる技術もありました。
ヴァイオリンとしてはむしろ、黄金色に変色するのは好都合でした。
正に黄金の下地Imprimitura Dorata,(Imprimatura Doratura)です。
物には長所と短所が必ずあります。このサンダラック・ウォルナットのニスは作りにくいという欠点があります。できれば最高のニスです。制作途中で発火、爆発し易いとだけ書いておきます。
一度に大量に作れないことと、色を見ながら作るので温度と時間があてになりません。
たぶん反応が2段になっていると予想できます。
赤味のある液体ニスですが、実際に塗布するとほとんど無色です。
顔料を練り込む方法は次に紹介いたします。


vernice-liquida.jpg


オイルニス ベース処方の使い分け その3

オイルニス ベース処方の使い分け その3
古典ニスの復元はGeoge FryやJoseph Michelmanが16-17世紀の最も初期のオイルニス」と著書で主張してますが、どうしてこのような結論が出るのかは理解できません。
硝酸法やロジンレーキそのものを塗布することを、誰が行ったのでしょうか。マイケルマンレーキの方法は別の意味で顔料としては正しく、使用した事実もあります。フルトンも同様です。(フルトンの著書は絶版となっています。)
私も持論が完全な復元だとは主張しません。ただしもっと簡素で簡潔なオイルニスであったと思います。
コロホニウムのオイルニスは赤茶色です。このニスは薄い色を作る方が簡単です。
濃い赤を得る手段として、硝酸やレーキ化という方法を追求した結果が前述の二人の著書です。
コロホニウムオイルニスは加熱酸化により赤くなった松脂を亜麻仁油とオイルニスとして、2回ほど塗布し、その上にコチニールレーキまたはアリザリンロジン亜鉛レーキ、マダー亜鉛レーキの紫のレーキ顔料を少量3-5%添加して上に一層塗ります。
こうしますと、合計3層で塗装は完了します。この方式で塗装したヴァイオリンは演奏その他の摩耗で剥げていくと、丁度オールドなヴァイオリンの剥げた模様ができます。
人為的に(レリックというのでしょうか)剥げた塗装とする場合は簡単です。
研磨するだけで下地が現れます。
これがコロホニウムオイルニスの簡単な解説です。
coloph-omote.jpg

オイルニス ベース処方の使い分け その2

オイルニス ベース処方の使い分け その2
オイルニスを初めて使用する方は、まず最初の目止めをどうするかで悩むようです。
オイルニスはテレピン油で希釈すると、木材に浸透します。
その前に木材の表面状態について説明しなければなりません。
セルロースは本来は親水性ですので、油分ははじくはずです。従って油性の塗料を塗布すると浸透しません。表面で留まってくれるはずです。しかし、実際には浸透します。
これはどうしてでしょうか。木材の繊維の表面に油分と樹脂があるからです。
これらを除去する方法としては、
1.弱アルカリ性の水に浸けて溶かしてしまう。例えば「ほう砂:Borax」
2.長い年月放置する。微生物分解や揮発で除去される。
3.燻煙処理をする。水蒸気で乾留することと熱分解と直接熱で揮発する。
もし、木材を何の処理もしない場合は、親水性処理をすることで解決します。これは膠目止めです。この点でアルコールニスと大きく異なります。
目止めとしてシェラックを一度塗布して、拭き取る方法もあります。この方法はあまりお勧めしません。シェラックはミクロ構造は鱗片状の層になっています。あまり強い層にはならないのです。
説明が長くなりましたが、オイルニスでテレピン油を使用せずに、粘度の低い液体のニスがあればコバの部分や吸い込みやすい木目にはあまり浸透せずに目止めできるはずです。
その役割は"Vernice Liquidq"のサンダラック・ウォルナットニスが最適だという結論です。実際はこのニスでも吸い込みの大きい角の部分などは、吸い込んでしまうようです。これには目止めとしてポッツォラーナ土やシェンナーのような鉱物の粉末かリコポディウム(杉苔の粉末)を使用します。

オイルニス ベース処方の使い分け

ここから新しい記載となります。これより前はyahoo blogより転載しました。
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オイルニス ベース処方の使い分け
ヴァイオリン用のオイルニス製品としては
1.ヴァイオリンヴァーニッシュ・グランド(サンダラック・ウォルナット)
2.ヴァイオリンヴァーニッシュ・ピュアアンバー(アンバー・ウォルナット)
3.ヴァイオリンヴァーニッシュ・コロホニウム(コロホニウム・亜麻仁油)
この3種類があります。
基本的には1のグランドが色が薄いので、最初にヴァイオリンを目止めした状態では色が付いていない方が、後で塗り直しがある場合元に戻れると思います。
アンバーとコロホニウムはベース自体の色がありますので、アンバーとコロホニウムの色を最後まで活かしていかなければなりません。簡単に言いますと、個性があるので上に塗布する色つきのニスもベースは同じ材料にしなければなりません。
コロホニウムオイルニスで通すならば、上にはコロホニウムオイルニスのレッドという感じです。アンバーは色つきのニスを販売をしていません。色が濃く自由な色に、特にイエローにはなりにくく、ベースの色からあまりかけ離れた色にはできません。

実際にはコロホニウム・ウォルナットという組み合わせやサンダラック・亜麻仁油という組み合わせも可能ですが、過去にあったニスの処方の頻度で組み合わせを決めました。

コーパルを除外しています。マステイックオイルニスも除外しています。これは「蛍光」
が明るいという点でコロホニウム、アンバー、サンダラックを選んでいます。
過去に「タンザニア・コーパル」だけは赤く蛍光も赤く良いオイルニスを作ることができました。(タンザニア・コーパルは現在流通していません。)

ヴァイオリンヴァーニッシュ・グランドは多少命名が悪かったと思います。
"Comone"あるいは"Comune"が本来のこのニスの名前です。
クリアーで少し赤く黄色く、変色してゴールドになるというヴァイオリンに最適なニスで、グランドからトップコートまで使えます。これにレーキ顔料を加えたのが"Classical"です。
このニスはビザンチンシステムの名前で知られています。
これに対するのがコロホニウムオイルニスです。マルチアナやデメイヤーン文書と呼ばれますが、単純で材料と製造方法に依存した変化の多いニスでもあります。つまり同じものを毎回作るのが難しいということも云えます。
marchana.jpg

塗り直し

塗り直し(2015.2.26)
このTLタイプは8年前に、HP用としてヴァイオリンヴァーニッシュFPで塗装したものです。
エタノールで塗装は簡単に剥がれます。ボディは貼り合わせなのでご覧のとおり木目が全く違います。
今回の塗装は
ヴァイオリンヴァーニッシュFPイエロー 50ml
チタンホワイト 10g
ウルトラマリン 0.5g
これはかき混ぜるとすぐに使えます。
一度塗装して、水研磨してから上塗りを2回で完了です。
これを乾燥させてコーパルオイルヴァーニッシュで保護塗装をします。
これはUVブラックライトで硬化させます。
大体のアウトラインは写真のようになります。
テレキャスターのピックガードをエスクワイヤーに換えました。
テレキャスターとエスクワイアーはフロントピックアップの有る無しの違いですが、コンデンサーの切り替え回路も多少違います。今回は回路とスイッチは同じにして、フロントピックアップは中に内蔵します。(フロントピックアップの穴は少し削って低くしないと入りません)
基本的にフロントピックアップは使いませんが、これでリヤーピックアップと両方ONのときには、トーンが変わります。
tlwg1.jpg

コロホニウムオイルニス3

コロホニウムオイルニス3 (2015.3.15)
コロホニウムオイルニスの原料を前目的に生松脂に切り替えました。
生松脂はいろいろな種類がありますが、スラバヤ南洋松とヨーロッパ産のもの、カナダ産のものが入手できました。
ランニングは結構面倒で、普通に加熱すると中に含まれるテレピン成分が発火して危険です。
また焦げやすく注意が必要です。そのため一度「ピッチ」に加工してからランニングします。
古くは直火で融けた成分を採取して使用していました。
これは「NUOVO TRATTATO Dì qualfivoglìa Jòrtà DI V E R N IC I Comunemente dette DELLA CHINA/ANGELO 」MARIA ALBERTO GUIDOTTl(1764)の文献にも出てきます。
マスティックを使用しなくても、乾燥硬化は速く実用的です。
(マスティックが1/4程度入る処方はオリジナルのMarcian Manuscriptです。)
raw-resine.jpg

スティルドグレインのマイケルマンレーキ

スティルドグレインのマイケルマンレーキ(2015.3.11)
スティルドグレインは輸入していましたが、弊社でも作れます。
透明になるようにマイケルマンレーキの方法をとりました。
ロジンを添加する目的は透明化とレーキが硬くならないようにすることです。
コチニールレーキの紫バージョンも販売します。
コチニール皓礬レーキはストラジバリのニス分析にもありました。ガダニーニの楽器の補修の写真でもこの色にとてもよく似た顔料の跡がありました。
stidegrainrosinlake.jpg

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