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オイルニス製品のペーパークロマトグラフィー

オイルニス製品のペーパークロマトグラフィー
ストラディヴァリのニスの分析の論文をやや長く掲載しましたが、「それが何であるか知りたい。」という欲求で、機器分析を行ってもそれは既に紫外線により硬化した塗膜の分析となります。ストラディヴァリのニスの謎ですが、Magisterの故Koen Padding氏のニスも、これまた謎のニスであります。
ストラディヴァリのニスとMagisterの再現もまた同じ価値を持ちます。
「人が作ったものは人により再現可能である。」これは私の考えです。
Koen Padding氏のニスが「永遠に失われた」わけではありません。
私はKoenさんのニスがストラディヴァリのニスと無関係であるのか、関係があるのかを疑問に思ってきました。ある方から頂いたMagister社の製品の一部を、自社の開発(古典復元)製品と比較する試験をしていました。一部を紹介します。
ペーパークロマトグラフィーは簡単で誰にでも気軽にできます。
フィーザーの化学実験 英語版第3版(日本語版 第2版)に従った方法で行いました。固定相となる濾紙はNo.1ですが、できればNo.51Bを使用します。
シリカゲルをガラス板に固定した、薄層クロマトもできますが、実験費がかかります。
何度でも失敗できる紙のクロマトグラフィーで、大体の当たりをつけることができます。
使用する溶媒は幾つかのパターンがあります。エタノール、エーデル、ベンゼン、リグロイン、クロロホルムなど低沸点溶剤を使用します。速く乾かないとピークがまた滲んで不明瞭になります。この点でαピネン(テレピン油の主成分)はあまり良い選択とは言えませんがまずはここから始めます。
fieser01.jpg
原点は出発点です。最初に試料を点で塗布します。ガラスキャピラリー(細管)で滴下します。溶媒に底を浸して、時間が経つと展開してきます。ピークが分離してきます。
溶媒が上がった最高点がRf移動比の100の点です。終点です。ピークは終点に対し、何%移動したかを測定します。ピークがプロードで広がってしまうのは、0点の試料の濃度が濃すぎるのと、固定相があまり良くないからです。Rfが100というのはピークが全部上がりきってしまった状態です。試料がこの溶媒に溶け易くて、この測定は失敗です。
溶媒をもう少し溶けにくいように、溶けない溶剤とブレンドして調整します。
chromato-table1.jpg
まず、最初のチャートの意味ですが、オイルニスのビヒクル部分、つまり染料も顔料も入らないベースのピークは0-100間を移動します。Amber,colophonium,sandarcをベースにした製品とMagisterまComuneが相当します。ここで顔料は粉体ですので0点からは移動しません。染料は移動します。マイケルマンレーキのような顔料でも有機溶剤に溶けるレーキは移動します。この違いがあります。
原点に"Colored fragment"とあるのは、原点から動かないピークがあるとうことです。即ち顔料です。Doratura Cremoneseは Doraturaと呼ぶ色材とCremoneseと呼ぶ色材を足したものと解釈しています。ピークは二つと原点の3つに存在します。このピークのどれもが色が付いていて、サンダラック/胡桃油ベースの蛍光色と一致しません。
アンバーとコロホニウムはオレンジ色の蛍光、サンダラックは青白色の蛍光です。
ここはいろいろと調査の意味がありそうです。
chromato14.jpg