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"Imprimitura doratura"の販売 

"Imprimitura doratura"の販売 
インプリミチュラ・ドラチュラGolden Primerは金色の下地塗料です。
長い間試作して試験してきましたが、販売することにしました。オイルニスの自社としての「システム」があった方が良いという判断です。

材料としてアロエとルバーブの根を選択しました。アロエとガンボジ、アロエとサフランという処方はDe Mayerne,Filippo Bonanni,Angelo Maria Alberto Guidotti,Genaro Cantelliらの方法を復元してみました。ガンボジは強い黄色が特徴で光退色には強いのですが、毒性があります。サフランは価格が高く光にはあまり強くありません。ルバーブ根は食用や漢方に使用しますので、毒性は問題ありません。黄色はガンボジよりやや弱く、光には強いということで採用しました。
製品はアロエとルバーブ植物エキスを、還元してエタノールで抽出し、濃縮するという手間がありますので、価格はやや高くなります。
使用方法はプライマーとして最初に塗装します。これはアルコール性ですのですぐに乾燥します。また親水性も高いので、膠目止めの代わりを兼ねています。
この上に、ヴァイオリンヴァーニッシュ・コロホニウムを塗装していきます。
下地の着色により、重みのある塗装色になります。

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"A Treatisw of Japanning and Varnishing" John Stalker & George Parker

A Treatisw of Japanning and Varnishing
John Stalker & George Parker
1668年 英語
この本は日本題「漆への憧憬」ジャパニングと呼ばれた技法 井谷善惠訳
が出版されています。

Japanningの訳語「假漆」とは仮漆つまり漆の模倣という意味です。「ヴァーニッシュ」と訳されますが、ヴァーニッシュは元々ヨーロッパ、中東でも昔からあった技術です。それは主にオイル系でした。ビザンチン(東ローマ帝国)文化での装飾の技術はオイルニスとしては完成したものでした。これらは16世紀には文献上で"China"「チャイナ」とも呼ばれていました。陶器光沢の意味です。
漆は古来起源前から中国では、弓矢甲冑などの武器に使用されてきました。
私は少年時代、正倉院の中を見ることがありました。不思議に思ったのは、螺鈿細工のパーツや織物の糸などが、御物として知られる工芸品の10倍以上の数が作れるほどの、予備の原料が所有されているということでした。つまり技術輸入していたわけです。
象眼、蒔絵は漆を使用した美術として発展してきたわけですが、17世紀のヨーロッパで漆器の需要に対応して模倣の漆技術を使用したという「模倣の技術」という話です。
しかし、この歴史背景は13世紀頃からオスマントルコ帝国の勢力が強くなり、陸路で輸入できなくなったインドの生産物を、遠回りして船で運ぶ大航海時代になりました。そしてすぐに南北アメリカ大陸に到達し、アジアを含めて世界は一周でき、ほぼ今と同じ生産物が手に入るようになりました。アルコールニスの原料はこの航路開発の成果でした。
一方、ビザンチン文化からイタリア半島に受け継がれた、オイルニスは原料が松脂からコーパルへ変わっていき、その結果ヴァイオリンニスのオイルニスは衰退していきました。楽器は美術品と違って音が命ですので、当然音の追求として失敗の少ないシェラック系と変わってしまいました。ここはひとつ大きな問題点です。正しいオイルニスが明確に伝わっていたら、このようなことにもならず、復元に苦労する研究者もいなかったと思います。

ジャパンゴールドサイズとは漆で金箔を接着する代わりとして、コーパルと亜麻仁油のオイルニスを使用する技術ですが、この著書ではアルコールニスで接着しています。
この著書の内容はニスの作り方ではなく、使用方法を書いたものです。
オイルニスの作り方は載っていまいすが、方法は間違いです。このとおり行っても成功しません。この頃のオイルニスは黒ニスと云ってアスファルト、コーパル、亜麻仁油とリサージが主成分で、それに対し白ニスはアルコール性です。
たぶん、市販の黒ニスが手に入ったので、これについては詳しくは述べていないのでしょう。この本では「アニメ」と「コーパル」は別のもので「ベンゾイン」は「ベンジャミン」となっています。アニメの本質は今では不明です。これはコーパルは化石コーパルを指して、ヒメナエアの木から採れる樹脂は無職透明で、これらを区別していたという説があります。
漆の模倣ではなく「今ある手持ちの技術での作り方」というべきでしょう。
ジャパンの語は当時は誰も行ったことのない国の名前ですが、それよりも鏡面の作れる技術としての用語でした。
漆は蛍光不活性なことと、三次元架橋するので音の伝達は位相がずれて、理想の西洋楽器には向きません。万能ではないことと、文化としてその国の感性というものが、大きく左右するということもあります。假漆と漆は全く別なものです。
この本の内容は「使い方の解説」としては丁寧で、同じ内容の著書は他にありません。処方的には全く興味はありません。日本題にはいささか不満はありますが、訳としては完璧です。

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アロエの「金色下地」の作り方2

アロエの「金色下地」の作り方2
"doratura imprimitura"アロエの「金色下地」を前記のように作ります。
砂糖ではなく亜硝酸ナトリウムやその他の還元剤でも色はオレンジに変わります。
アロエはエタノールに溶かしてそのまま塗布すると、薄い茶色です。還元して黄色になってきます。オイルニスをアロエで着色することはできますが、これは前に述べたように蛍光が暗くなります。従って下地としてアロエを塗布して、上にコロホニウムオイルニスを塗装します。
できあがった還元アロエを濾過したエタノール溶液は5倍以上濃縮します。
試験板に塗布しながら金色の出来を見ます。2-3回塗りでオレンジ色になれば、できあがりです。
濾過は写真のように漏斗の下を切って、瓶に直接置いています。スペースをとらないための工夫です。
アロエの金色下地を2回塗布します。
この上にヴァイオリンヴァーニッシュ・コロホニウムを塗装していきます。

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アロエの「金色下地」の作り方

アロエの「金色下地」の作り方
金色のプライマー"doratura imprimitura" の数多い処方の中から、作り易い方法を紹介します。アロエがベースとなります。ガンボジやサフランを足して黄色を強調する方法もありますが、それはこの処方のアレンジとしてください。
1.アロエはケープ・アロエ(アロエ・スコットリーノ)の粉末です。色は薄い褐色です。

2.砂糖は「蔗糖」普通の砂糖です。還元性があります。
3.アロエとその倍量(重量)の砂糖をビーカーまたは、ステンレス器に計量します。
写真はアロエ3g砂糖6gです。
4.これを電熱器でそのまま加熱します。150-180℃ぐらいです。時間は適当ですが、色が変わり黒褐色になり、焦げていないことを確かめながら静かに撹拌します。
5.少し冷ましてから、エタノールを加えます。アロエの10倍量です。
放置して溶かします。温水浴で溶かしても良いのですが、直火は厳禁です。
(アルコールとテレピン油の直火加熱は避けてください。)
6.溶けない黒いアロエと砂糖が残ります。これを濾紙No.1で濾過してください。
7.濾液はエタノールを蒸発させて濃縮します。この時、水分を除くために無水硫酸ナトリウムで脱水して、濾過することもできます。
以上ですが、ほとんどの文献では4の加熱をテレピン油中で行うとしてますが、危険であるしその必要もありません。
この処方はヴァイオリン用オイルニスの下地着色として、紹介するものです。
実際に塗布された色は、オレンジ褐色がかった黄色で、紫外線でややオレンジ側に変化してきます。この処方を作ることは時間の都合がつかないか、とても面倒だと思います。
販売も考えてますので、ご連絡ください。

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オイルニスの着色

オイルニスの着色
コロホニウム系オイルニス(マルチアナ・ヴァーニッシュの場合)
コロホニウム系オイルニスは二色性があり、着色は単純な混色の方法がとれません。
この欠点なのか長所になるのかは、性質として面白いところです。
コロホニウムの主成分アビエチン酸と誘導体は純粋には黄色です。熱処理することで着色されます。それは、幾分黄緑と赤の要素が入ってきます。

コロホニウムオイルニスは塗布したその上に、「紫」の色を重ねることで強い「赤」となります。ストラディバリのコロホニウムオイルニスとコチニールレーキの組み合わせが、その例です。
コロホニウムオイルニスのベースとしてヴァイオリンヴァーニッシュ・コロホニウム・ライトブラウンを使用して、各色の顔料を加えてみました。
コバルトブルーは彩度の低い灰緑となります。
ヴィリジアン緑は入れ過ぎると彩度の低い黒に近い色になります。少し添加すると、とても複雑な色になります。茶のようなオレンジのような緑です。
黄色はビスアゾ(ジアゾ)系を選びましたが、彩度の低いオレンジになります。
ピラゾロンオレンジは強いオレンジとなりました。オレンジレーキはあまり相性が良くはないのですが、人工的なオレンジになります。
コチニールは暗い赤黒になります。これはアリザリンのパープルレーキの方が色としては赤紫で、使いやすい色です。ディープマダーはこれも強い赤紫となります。
レーキ系は蛍光は少し阻害します。顔料は溶けないので蛍光を阻害しませんが、木目は見えなくなる不透明の性質があります。
混色のずれを計算することは難しいので、実験して経験則から答えを出す方が近いようです。結論としては赤としてはアリザリンロジンレーキの赤と紫の中間を作ることがベストです。

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Pece Grecaグリークピッチ(Pictoria Sculptoria & quae subalternarum artium T. de Mayerne)から

Pece Grecaグリークピッチ
Pictoria Sculptoria & quae subalternarum artium (T. de Mayerne)から

松の樹脂を取り、大きなやかんに入れて、すべてが液体になるまで火で加熱します。沸騰し始めたときに火から下ろします。それをざるに注ぎ不純物濾して、大きなケーキができます。
人工のたいまつ[例えば花火のような]であれば、それを明るいパウダーに突っ込んで簡単に作れます。
これは、粉末が完全に白く、通常純粋な明るいピッチ樹脂となります。
それは良いかどうかを確認するために、松の樹脂を溶かし湿らせた布キャンバスを通してすべての不純物を取り除きます。完全に水を蒸発させるため、沸騰させ、油分の質量は、油の完全な蒸発によって粉末ロジンに変換されます。
しかし、私はロジンが減少して明るくない赤みがかったベネチアテレピン油の方が、細かい仕事のために優れていると信じています。家具のため、他方は互換性があります。
金色の革用のニス。
処方(註1)
亜麻仁油3ポンド、ニスまたはサンダラックまたはコロホニウムのグリークピッチ2ポンド、サフラン粉末2オンスをガラス張りの鍋にサフランと残りを沸騰した油に、浸漬し、その後、羽を浸し、再び引き抜くと焼けた痕が示されます。
そうするとすぐに火気から引き上げ、徐々に1ポンドの微粉状アロエ樹脂を追加し、継続的に棒で時々かき混ぜながら追加します。
注意 一時的に全体が膨張して、すべてが再び低下するまで火から下ろして再び置きます。鍋を沸騰するまでかき混ぜます。
できあがったら、火から下ろし、ニスの保存に使用される容器に布を張って流し込みます。
あなたがアロエ樹脂の代わり、白いユリの花の茎を取る場合は、ニスはより美しくなります。
応用
革のシートに銀やスズ箔の固定としての接着剤またはペーストとてください。

註)1Pfund=12 Unzen ,1ポンドは12オンス 薬衡ポンド360g  薬衡オンス30g

この文はコロホニウムオイルニスにアロエを加える処方の元となりました。
アロエはオイルニス着色した後、不溶性の個体となるので、取り出します。

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デ・メイヤーン・マニスクリプト"De Mayerne Maniscript"処方の解説

デ・メイヤーン・マニスクリプト"De Mayerne Maniscript"処方の解説。
この文章の前後にもオイルニスの処方は数多くあります。
ヴァイオリンニスの元がこの書にあるというので、大陸の制作家が必ず引き合いに出します。まず処方の琥珀/亜麻仁油=1:2の基本型は「黒いニス」と表現しています。
ランニングした琥珀を使用して見かけが黒いからだと思いますが、なるべく無色が好ましい絵画と着色してほしい楽器との差があります。必ず後で漂白の方法を探っているはずです。この章は基本的にロングニスのベースに、ガンボジまたはアロエで着色すると金色のニスが出来るという内容です。実際はガンボジで着色は、アルコールが入らないと色は付きません。アロエは着色可能です。それ故に「アロエを推薦する。」という結論です。
アロエ・スコットリーナというのはアロエの砂糖漬けのことです。蔗糖は還元剤ですので、アロエを還元すると金色になることは、この前に書きました。アロエは熱や光で茶色になります。還元や光暴露で赤みのある金色にすることができます。もっと古い時代からの技術です。デ・メイヤーンのころはレトルト・アレンビック(簡易蒸留器、主に酒造に使用)でテレピン油を精製していました。琥珀をランニングする特殊なアレンビックは知らないようです。これは少しビザンチン時代より後退しています。
戦争や民族の移動で、資料が散逸したのと、技術屋がイスラム系の人々だったので、交流が途絶えてしまった結果かもしれません。ただし、大航海時代のいろいろな新大陸の樹脂が増えて、手持ちの技術が増してきました。これがアルコールニスの普及に繋がりました。
「ケルメス」赤の謎もそうですが、元々アルメニアの産のケルメスがあまり手に入らなくて,高価な赤い染料は、代替え品としてラック色素やマダーの技術が進んできたところ、新しいケルメスが南米で発見されたわけです。この辺の話も出てくるらしいです。

De Mayerne Maniscriptは英国人の学者T.De Mayerneの手書きの一冊の本(メモ帳)で、フランス語で書かれています。(一部ラテン語やイタリア語の使用)をドイツのErnst Bergerがドイツ語とフランス語に書き写した本を出しています。今回参考にしたのは、これよりも新しい、2002年にGudrun Bischoffという著者がドイツ語でまた書き直したものです。
これでだいぶ訳すのに便利になりました。

Das De Mayerne Maniskript Gudrun Bischoff編より

"Das De Mayerne Maniskript" Gudrun Bischoff編より
1620 T. de Mayerne.Pictoria Sculptoria & quae subalternarum artium 
"Wahre Beschreibung des Ambra-Firnisses und des chinesischen, welche mir Jehan Haitier diktierte."Jehan Haitierが決定した琥珀ニスと「チャイニーズ」(陶器光沢)の真の説明。

オランダレーキ法と呼ばれる黒いニスがある場合は、亜麻仁油1ポンドと琥珀1/2ポンドの胡桃大きさのかけらを粉砕します。金色のニスをしたければ、琥珀は1/2ポンドの金色で滑らかなものを取り、小さな断片ではなく粉末にします。
3/4が空で少なくとも2/4の土鍋でこれをゆでます。底を撹拌することなく、穏やかな薪の火で沸騰したままにしておきます。オイルはシューという音とともに上昇する場合にのみ、液体を攪拌する理由はありません、火から鍋を取り出し、火の上に置き再びそれを再び沸騰してみましょう。註1)
金色の場合はについて十分に二回盛り上がります、その後一度か二度以上盛り上がるため、全体では4回です。
最後に沸騰した後、(でも、金色の黒ニスを作るために)火に油を燃やすとオイルと黒ニスを厚くするためにいくらかの時間かき混ぜます。ここでは、オイルが完全に消費されることに注意して慎重に仕事します。
黒ニスを作るためには、黄色い琥珀1ポンドのうち、最も赤いラッカーまたは黒ニスにするため、最も美しく最も明るい琥珀を溶融します。希望の場合揮発性の塩から油を放出するために、上記のガラスカバー(または錫を試してみてください)を使用してください。
それは水のような液体です。そう上記1ポンドの残りの部分を追加し(そのうち約3/4しか存在しません)粉末のガムラックを1/4ポンド追加し混ぜます。それが溶融して一緒に結合します。ケーキ(ランニングされた琥珀)を形成するために、濡れた大理石の上に注ぎます。
このオレンジ色の混合物とラックから1/2 ポンドを取ります。それを粉砕し、油を計量し、上記のようにしてポットに投入します、それは優しく火を沸騰させて鍋に、そのすべてが少し回しながら撹拌溶融させます。
ニスが十分に流動させることが必要であるよりも、溶融した後に少し冷まして蒸留テレピン油を半分追加します。
このニスは、少し温かい状態では、それはあなたの手を耐えることができるので、上部にセーム皮に似た膜が浮かんでいる場合、あなたはこれをかき取り除去することにより均一にできます。
後に底に塗料が分離して沈降することはありません、およそ半年後ですが、いくつかの不純物、滑らかさや琥珀の性質のために、底に沈殿ができますが、上清は非常に純粋です。
塗料を黄色にするためには、ニスと少しテレピン油を取り、小さな容器に混ぜてガンボジやアロエ・スコットリーナのいずれかを添加し、弱い火の上に置きます、それを攪拌し、すべてが溶解している場合、上記のニスを追加し、一緒によく混ぜ、革を通して見ます。
それはとてもカラフルにすることができます。アロエはガンボジよりも溶解に優れ、ガンボジように美しい黄金色を生成し、強い熱で分離します。アロエにこだわります。黒のニスを使用している場合、それはランプブラックと暗い下地の作品を製作し、大理石の上で黒ニスの少しと、テレピン油で細かく練り込む必要がありました。
黒ニスは半パイントです。テレピン油は、通常のを追加し、一緒に混合しました。黒ニス。これは、速乾性ソフトニスで塗りつぶし、その後から、ブルームを除去する作業のため乾燥させます。註)2
ほこりが傷を付けないようにして、3時間後表面形成されることになります。
砂や灰を用いたレトルトで透明なテレピン油を蒸留します。(水浴では、再び重合します)
4〜5ポンドでは、オイルの4分の1が残ります。蒸留された液体は温泉水のように透明です。ブドウの木の灰の上にそれを濾過します。そして乾燥します。これは銅の容器で蒸留します。
マスティックは、蒸留テレピン油に溶けますがサンダラックには溶解ません。これは純粋なスパイク油に溶解しますので、私は以下に提案します。スパイク油と少しテレピン油とを混ぜます。


註1)あまり膨張が激しいときは、火から下ろすという意味です。

註2)オイルニスではまれにブルーム、白華現象があり欠点とされています。ただし私はこの現象を見たことがありません。
註3)黒いニス (独)"schwarzen Firnis" 原語(仏)"Vernix noirâtre"

Imprimitura doratura アロエの下地塗料2

Imprimitura doratura アロエの下地塗料2
Angelo Maria Alberto Guidottiの処方からアロエの蔗糖処理の下地を試験しました。
色は金色でとても良いと思います。紫外線の照射でややオレンジ色に変化しますが、生のアロエより変化は少ないようです。
オイルニスの下地として適当かは、実際に塗布してみるしかありません。
下地のあるものとないものでは、コロホニウムオイルニス(マルチアナヴァーニッシュ系)
では効果があります。二色性と相性が良いでしょう。もう一つの系ヴェルニーチェ・リキッダのサンダラック系でも使用できます。サンダラック系の場合オイルニスの色自体が薄いので、下地の着色は頻繁に行われます。コロホニウム系の場合、下地の着色は必要ないと思っていましたが、実際に使用するしないで大きく違いがあります。
斜めの角度で見ると赤く落ち着いた色合いになります。
この還元アロエをアルコール溶液にした場合、溶解性は良くないのでこの改良をしています。他社のようにセロソルブを使う方法はあるのですが、私は制約として16-18世紀の可能な技術で作るということは守って行きます。
写真は1無塗装。2アロエ下地Imprimitura doratura。3アロエ下地にヴァイオリンヴァーニッシュ・コロホニウム ライトブラウン。4 ヴァイオリンヴァーニッシュ・コロホニウム ライトブラウンのみ。
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Le Vray Vernix des Lutha d Violles. de Mayerne/Ernst Berger訳

Pictoria Sculptoria & quae subalternarum artium
1620 T. de Mayerne.「画家彫刻家と芸術に属するもの」
"Beitr̈age zur Entwicklungs-Geschichte der Maltechnik" 「技術の発展の歴史への貢献」
Ernst Berger(1901)
"Le Vray Vernix des Lutha d Violles"
"Der wahre Firnis fuer Lauten und Violinen"
"The true varnish for lutes and violins"
「リュートとバイオリンのための正しいニス。」
処方。できる限り黄色で赤みがかった琥珀を何も加えずに密封されたクレイポットに入れてください。それは着実に燃焼する石炭の火の上に置いて、鉄の棒でその中を攪拌してみましょう。これはロジンのように見える黒い液体状に溶けます。
溶融したものを大理石の板石の上にそれを注ぎます。
油を分解するために、それはよく沸騰させ、十分に分解された後、ガチョウや鶏の羽ペンの軸を着けてみます。純粋なガラス張りの鍋に純粋な亜麻仁油を入れます。
その油が濃密に十分分解され沸騰して上に上らなければ羽は焦げません。
ニスを作成するには(油は英語でパイントまたはパリではパイントとと言います。)
約6オンスの粉末アンバーと油を一緒に暖めるましょう。すべてが溶解するまで、円にかき混ぜます。
だからニスは長くかかることが良いとされています。かなり液体になったら濃厚な油を琥珀に追加します。このニスは、太陽の下で乾燥と硬化をします。
ほど良い均一性に製作し、同じ布を介して加熱します。
油は、鉛の一かけらで分解しました 穀物やナッツ大のリサージを少々追加しました。沸騰させ、上記のように、鳥の羽を使用してテストします。
このニスは、一日で乾きます。
油を分解します。他の亜麻仁油のような場合(違う油か)にも発生しても同じことです。
火にかけたガラス張りの器にオイルを添加し、鉛板に流し出します。そして第二の同一のトレイでそれを覆い加熱します。
蓋まで膨張しますが、15分から30分できれいに収まります。2時間して次に進んでください。その後瓶の中油を太陽にすかしてみます。それは水のように非常に透明です。他の方法は、沸騰した油に火をつけて分解しますが、それは非常に透明になりますが 、完全に乾燥しているとき厚みが大きいことに気づくでしょう。

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註)分かり難いと思います。この本は99ページからde Mayerneの"Pictoria Sculptoria & quae subalternarum artium" 「画家彫刻家と芸術に属するもの」を訳していますが、偶数ページがフランス語(原文)奇数ページがドイツ語で、同じ内容をドイツ語訳しているわけです。
亜麻仁油を鳥の羽の軸が焦げる温度に加熱して、別に溶融した琥珀を溶かして琥珀ニスとします。処方は琥珀と亜麻仁油が1:4です。酸化鉛(リサージ)を乾燥促進剤として使用してますが、光硬化性であることは明記しています。
私もこの仕事を始めた頃、ヴァイオリン制作者から、これと同じ表現の製法を聞きました。de Mayerneが出所だったわけです。しかしこの方法はFillippo BonanniやAngelo Maria Alberto GuidottiとGenaro Cantelliの方法よりかなり原始的です。1600年から1700年の間に装置が進歩したのでしょうか。それ以前のビザンチン時代の錬金術師たちは、これよりも進んだ装置alembicを開発していました。
琥珀は加熱すると焦げます。液相としてオイルを使用して効率を高めても、オイルは400℃という琥珀の融点には揮発しますので耐えません。私はかつて、シリコンオイルや不活性液体・フッ素系フロリナートの中で琥珀やコーパルをランニングしてみました。
琥珀粉の表面が空気に触れなければ、酸化し炭化する方向には行かないと思ったからです。
しかしあまりうまくはいきませんでした。シリコンオイルといえど450℃1時間の加熱では突如白い固体粉末になったり、琥珀の分解で可燃性有機物が発生したりするからです。
シェラックやマスティック、コロホニウムを溶媒として一割程度使用するというのは良いアイデアでした。これは前述の三人の著書に出てきます。
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